年齢を重ねること

歳を感じる瞬間は年が経つにつれて増えた。
睡眠時間が減っても平気だったり、食べ物がもたれやすくなったり、白髪が増えたり。

額装して絵を扱う仕事柄、絵描きには想いを馳せる。

そして画家として生きた生涯には敬意を払っている。
長寿の画家のひとり、アンリ•マティス(享年84)は色彩を開放した野獣派のひとりで、油彩画が一般的に知られているが、切り紙絵作品もたくさん残している。

マティスは高齢になってから病を患い、ベッドの上で油絵を描くのは困難なことから、ハサミを持ち、切り紙絵を制作し始めた。

その作品群は油彩画より色彩とフォルムが洗練され、達人というか、超越した領域。

歳を重ね病気でベッドの上からもなお新たな世界をつくり進化している絵描きは少ないように思う。

歳をとることは死と直結する事なので、負の部分を感じずにはいられなかったが、マティスに刺激され、未来の色が少し明るくなった。


イカす切り絵のひとつ、聖職者の着る上祭服

歳を重ねても励む決意の女職人
額装の(株)アート・コア マエダ(夕佳)