見切り千両
こんにちは。
時速2キロの桜前線は、着実に北上中。都心ではソメイヨシノが見事に開花しました。「春」です。
お元気ですか。
この時期、企業や商売をやっておられるところは、年度末の集計に追われます。ほとんど企業において、決算が3月に集中するようですが、弊社も同様です。
そこには、毎年悩ましい作業が待っています。商品や材料の棚卸です。経理関係は、コンピュータでほぼ完結しますが、これ等は、データとの誤差を解消すべく手作業と目視で確認をします。
弊社でも一日生産を止めて、これに掛かります。毎年のことですが、担当していただいた皆さん、お疲れ様でした。
本当に「悩ましい」問題は、別にあります。
それは、仕掛品の処理です。「デッド」か「否」かの選別。
お客様の発注変更や寸法違い等の半製品が結構溜まっています。納品直前に何らかの事情でキャンセルになった物もあります。ほぼすべてオーダーメイドの為、行く末はデッドです。計理士の先生に毎年相談に乗っていただくのですが、大半は、謹んで処分します。不用意な取り置きは、工場スペースを長期間占拠することになりますから。
材料を吟味し丹精を込めて造った製品には、我が子と同様の愛情があり、捨てるには忍びない感情が湧いてきてしまいます。それを振り切って決算期には処分しなければならないのです。でも、「はいっ」やりました。
職人の心のケアーも必要です。
さて、それを実行したからは心機一転、改めて無駄を減らし、コスト削減に邁進いたさねばなりません。今年度もお客様に良い商品をリーズナブルな価格にてご提供できるように頑張る決意をしています。
「見切り千両、無欲万両」
「何でもかんでも持っていようとする態度が損するかもしれない」
この時期、呪文にしている言葉です。
決算期の額装屋 ㈱アート・コアマエダ(店主)