額装職人の胸の内
おはようございます。
オリジナル額装のお話です。完成品をお渡しした時のお客様の「笑顔」。これがあるから次も頑張れる。何物にも代えがたい最高のご褒美です。
最初は「これ、お任せしますよ」「既製品は嫌だよ、いつものオリジナルで・・・」「信頼していますからね」でお預かりさせていただく。
職人冥利ではあるが、プレッシャーの裏返しでもあります。信頼は、裏切れませんから。
しかもオリジナル額装の評価は既製品と違って、天と地ほどの差が出ますから・・・厳しいです。
作業に取り掛かる時の職人の胸の内はと言えば、「ご依頼主の趣向のポイントを外していないだろうか」「造る側の思い込みや傲慢が、先行していないだろうか」「悩んで迷って、個性の無い平凡なものになってしまっていないだろうか」などの煩悶が次々と沸き上がります。
それらの思いをバシッと断ち切って着手する。その決断も匠の技のひとつと観念しています。
先週のオリジナルフレームの中の2点。
ルオーの小作品。マットに粗い暗い麻布を巻き込みました。フレームは、ご要望に沿って暗くならないように仕上げました。
こちらは三岸節子先生の油絵額装です。
キャンバスの側面が出ないように、ダブルフレームにして浮かせてあります。ベースは銀箔です。コーティングで、金色が混ざったような発色。
今回はご紹介できなかった他の額装も含めて、池田と高田が製作監修をさせていただきました。
額装の㈱アート・コアマエダ(店主)