塗装屋奮闘記
今年もついに梅雨シーズンとなって、雨が降りやすいお天気が続きます。
みなさま、いかがお過ごしでしょうか?
今回は4月から弊社塗装部門に配属となりました男性新人Sさんの奮闘記をご紹介します。
入社以来、チャレンジングな毎日を送っているようです。
いつも面白い文章を書いてくれるのでお楽しみください。
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どちらかと言えば晴れ男を自負している私だが、
入社日からずっと週始めは雨の迎え入れが続いていた。
この常態化にいいかげん良からぬ予兆などを当てはめたくなってきていたところに
穏やかな曇り空の月曜日、手放しで歓迎する。
この無邪気さで今週も乗り切ろうと前向きになる晴れ男である。
「ANEST IWATA社製 W-101-131G」
先輩職人から譲り受けた塗装用のマイスプレーガン、相棒の名だ。
ガンには「パターン」「吐出量」「エアー量」を調整するツマミがそれぞれあり
支持体(額縁)の状態に応じてそれらを最適な具合に調節する。
この兼ね合いが難しく厄介でガンを手にして以来、翻弄され続けていた。
何か打開策は?と実地のデータ集めに乗り出してみた。
ガンを吹く度にそのパターン具合、吐出量、塗料の種類や額縁の形状をメモして
次に同様の注文条件が来た時に参考にしようという心づもりだった。
「よしよし、この塗料だと前回の吐出量で悪くなかったから、それに合わせてっと、、、」
自身の軽率な愚かさに気が付くのに数週間を必要とした。
そもそも同じ条件が揃うことなどあるはずがなく、目安を絶対視してしまった私の手で
相棒は冷笑しながら憤怒しているかのように暴れ続けた。
データはあくまで目安であり、そこから先は成功の感覚を手繰り寄せなければならないのだ。
判断材料は無限にある。
不快指数ギリギリの湿度、エアーの噴射音の高さ、塗料の吐出密度、等々。
常に条件が動いているから、吹いている最中だって感覚が許せばメモリを変えたってよい。
しばらくして、仕上がりについて悪くないかもと思えるようになってきた。
心なしか相棒の表情も険が和らいだように感じられる。
「Don’tthink、Feel!」
カンフーの名画「燃えよドラゴン」のブルース・リー先生が仰った言葉が沁みる晴れ男であった。
(「新人Sの奮闘記」より)
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いかがでしょうか?
試行錯誤しつつも、ポジティブな姿勢が読み手を引き込む手記。
ユーモア溢れる文才もなかなかのものですね。
今はまだ先輩に教わりながらの毎日ですが、1日も早く独り立ちできるよう応援しています。
額装の㈱アート・コアマエダ(スタッフ石部)