技術伝承とバイオリン
こんにちは。桜も見事な葉桜となりました。「諸行無常」の春景色かな。
お元気ですか。
このバイオリンは子供用です。13年前に額装しました。立体用に対応してアクリルボックスにしてあります。フレームの左右に音符を載せました。当時の「遊び心」に微笑んでいます。
若い頃から、物造りの職人さんに尊敬の念を持っていました。なかでもバイオリンの製造には、興味がありました。
バイオリンの先祖とよく似た楽器は、西洋にも東洋にもあったようです。しかし、楽器としての完成度は、バイオリンがずば抜けていました。それも改良を重ねて徐々に完成されたのではなく1550年頃、突如として最初から完全な形で誕生したそうです。奇跡的な出現と言われています。
約500年前、イタリア北部のクレモナで活躍したアンドレア・アマティとブレシアのガスパル・ダ・サロの造ったバイオリン。今に至るモダン系も、原型はこのあたりから始まったとされています。ニコロ・アマティの弟子のストラディバリウスの楽器は、世界に約600挺ほど現存しているそうです。世に言う名器「ストラド」ですね。そして、「グァルネリ」も同様の名器です。
しかし、1745年にはほとんどの楽器職人がクレモナから去り、クレモナでの弦楽器製作の伝統が途切れたこともあり、その製造方法は伝承されていません。
そんなことって、あるのかな~。
ハイレベルの職人が、何年もかけて挑戦しましたが、このオールドモデルを超えた楽器は、未だでていないそうです。現代のバイオリン職人の苦悩と挑戦は今も続き、当時の弦楽器製造技術を再現する試みが行われているそうです。
分野は違っても「技術の伝承」は、大事ですね。私たちも「後輩たちへ伝えること」に、努力を惜しんではならないと考えています。
さぁ、後輩諸君よ! 後に続け!
㈱アート・コアマエダ(店主)