「職人」そのこころ
雨と晴れが交互に過ぎていきました。
こんにちは。
図書館で見つけた本。少し古い本ですが、この著者はすごいと思いました。

小関智弘著 「職人学」
著者紹介と推薦文にこう書かれています。
人類が石を割ってさまざまな道具として以来、人は技能の限界を超えて自らの手でそれを破り、自分の技を改革してきた。氏は、小さな工場の旋盤工としてその眼の高さで、世の中を見据えて書くことを続けてきた。
賞を取り、先生とか、作家とか呼ばれても俺は旋盤工だと自らを戒めてきた。卑下してきた訳ではない。むしろ旋盤を使って物造りをする「たくみ」であることを常に誇りに感じながら働き書いてきた。
以下本文からの抜粋です。
技能とは、言葉を持たない技術である。
言葉を持っていない分だけ、底知れぬほど奥深いのが、技能だということを人はもっと気づくべきであろう。
「もの」は雄弁である。いい仕事をしていれば、きっと誰かが、見てくれる。人が見ていなくても神様は、きっと見てくれている。いい仕事はするが、生き方としては、むしろ不器用にしか過ごせない無神論者の私が、つい神様をかついでそんなことを言ってきた・・・。
職人は、しばしば自信作ほどわが子と同じで手放したくないような愛着を口にする。
なるほど、なるほど、そうなんです。
日々の額装の仕事を通じて共感するところが、多くあります。鉄と木の違いはありますが、お客様に納める時には一抹の寂しさを感じる時が・・・良く解かります。
(苦労して造った時ほど・・・ありますね)
氏は、旋盤工として50年間働き、その労働体験のなかから小説を発表。直木賞候補に2度。芥川賞候補にも2度選ばれています。「少し古い本」と冒頭で書きましたが、なんの今も通用する「職人」の誇りと勇気をいただきました。
「技」や「誇り」のように、見えないものは文学者でも表現しにくいところです。読まれた方は、職人の感情や鬱憤をこの本によって理解していただけたことと思います。
さりとて「職人学」!
額装の㈱アート・コアマエダ(店主)